■クライアント情報
会社名 | 株式会社MORESCO |
所在地 | 神戸市中央区港島南町5丁目5-3 |
事業内容 | 特殊潤滑油、合成潤滑油、素材、ホットメルト接着剤、エネルギーデバイス材料などの開発、製造、販売 |
機能材開発部の末吉様、研究開発部の小西様、藤井様にお話を伺いました。
同社の機能材開発部、研究開発部ではDatachemical LABを活用して頂いています。社内でのDatachemical LAB活用を推進されている末吉様(左、機能材開発部)、小西様(中央、研究開発部)、藤井様(右、研究開発部)にお話を伺いました。
Q1. Datachemical LABをどのようなテーマに活用していますか?
MORESCOでは物と物が触れ合う「境界領域」での潤滑、 接着、表面保護などの機能を果たす製品を主として開発しています。その中で切削油材、合成潤滑油、ホットメルト接着剤、ライフサイエンス関係の開発テーマにDatachemical LABを活用しています。
Datachemical LABは混合系だけでなく、合成系のテーマにも活用が可能であり、データ数の制約も小さく、少数サンプルから中程度のサンプル量のデータに対して機械学習を用いた解析が可能なところを重宝しています。製品開発の流れや手法、一日の実験回数などが事業部間で異なる当社においても、一部のテーマや事業分野に限定することなく、全社的なマテリアルズインフォマティクスの推進を実現できていると感じます。
Q2. Datachemcial LABを選定した理由は何でしょうか?
本格的にマテリアルズインフォマティクスを導入する前に、有志を募って社内勉強会を実施しており、その勉強会では金子先生の著書を使用していました。当初はPythonに関する勉強と機械学習に関する勉強を並行して行っていたため、社員の負担も大きく、実際にマテリアルズインフォマティクスを社内で推進し、製品開発を効率化するという最も重要な部分の検討を行うに至るまでの道筋が遠く険しいものに感じていました。機械学習が強力なツールであるということは理解していても、開発者が活用するに至るまでの教育にかかるリソースの壁がとても高かったと感じていました。
そのような思いの中で、金子先生のノウハウがノーコードで使用できるDatachemical LABに出会い、当時の上司に報告し、すぐに導入に至りました。
Q3. Datachemical LABを導入した効果を教えて下さい。
まずは開発者がPythonの習得から解放されたので、すぐにマテリアルズインフォマティクスを活用した製品開発の検討に移れたことが大きいです。当社では2022年からDatachemical LABを使用しているのですが、当時を思い返してもDatachemical LABが無かったら、今の状態には間違いなくなっていなかったと思いますし、効果を全く提示できず、マテリアルズインフォマティクスを推進すること自体が頓挫していたかもしれません。
また教育ツールとしても効果がありました。マテリアルズインフォマティクスに取り組み始めた時期は金子先生の書籍を使って勉強会を行っていましたが、それがDatachemical LABを使っての勉強会に代わり、参加者が実際に機械学習を実装しながら知識習得ができるようになったことで、社内でマテリアルズインフォマティクスの理解が急速に進んだと思います。
そして、実際の製品開発においてもDatachemical LABの社内導入と同時にマテリアルズインフォマティクスについて学び始めた当社の開発者が、ベイズ最適化での実験計画を活用して、新製品開発が効率化された事例や、開発者が見つけられていなかったパレート最適解を見つけることができた事例が挙がって来ています。
Datachemical LABのおかげでMORESCOのマテリアルズインフォマティクス推進にブーストをかけることができたと感じています。
Q4. Datachemical LAB導入後のアップデートや当社サポートについてどのようにお感じでしょうか?
2年近く(2024年9月時点)Datachemical LABを使用していますが、機能アップデートされる頻度は本当に多いです。Datachemical LABを通じて、マテリアルズインフォマティクスをはじめとするテクノロジー進化の速さに驚いています。
また機能だけでなく、ノーコードで機械学習が実装できるだけでも非常に有益であった中で、マテリアルズインフォマティクス初学者に寄り添ったユーザーインターフェース開発に向けて更に進化しようとしていることが感じとれます。
サポートに関しても、質問に対してのレスポンスは当日中には頂けますし、こちらの要望に対して、機能をアップデートしてもらったこともあるので、ユーザーの困りごとに対して真摯に対応していただけている印象です。
Q5. 今後のDatachemical LABの貴社内での展開予定を教えて下さい。
中長期的なビジョンとして、マテリアルズインフォマティクスを活用した製品開発を行える人材を現在の5倍以上に増やしたいと考えております。ただし、データサイエンスに軸足を置いたデータサイエンティスト人材を増やしたいのではなく、あくまでMORESCOの開発者として、製品開発に軸足を置いた中でマテリアルズインフォマティクスを活用できる二刀流の開発者を育成していきたいと考えています。
そのために、これまでと同様に開発者がDatachemical LABを使いこなせるための支援を行っていき、MORESCOのマテリアルズインフォマティクス推進の流れをより加速させていきたいと考えています。
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